最近、たまたま調べ物をしていて「サリーアン課題」というテストの存在を知りました。
心理学の本はたまに読んだことがあるのですが、こんなテストがあるなんて今まで全く知らず。名前だけ聞くと可愛らしい響きですが、中身を知って、ちょっと衝撃を受けました。今日はその備忘録も兼ねて、このブログに書いてみたいと思います。
サリーアン課題って何?
簡単に言うと、「相手の頭の中で何が起きているかを想像できるか」を確認するテストです。
心理学の世界では「心の理論(Theory of Mind)」と呼ばれる能力があり、これは「自分と他人は違う考えや信念を持っている」ということを理解する力のことだそうです。
サリーアン課題は、この「心の理論」が育っているかどうかを確かめるために考えられたテストで、1985年にバロン=コーエン、レスリー、フリスという研究者たちによって発表されたもの。意外と歴史があるものだと知りました。
テストの中身(ストーリー形式)
具体的にはこんな話を子どもに聞かせます。
- サリーとアンという2人の人形(または子ども)が登場
- サリーがボールをカゴの中に入れて、部屋を出て行く
- サリーがいない間に、アンがそのボールをカゴから箱に移してしまう
- サリーが部屋に戻ってくる
ここで質問します。
「サリーはリンゴを探すとき、どこを見ると思う?」

答えは「カゴ」が正解。サリーは、アンが移動させたところを見ていないからです。「アンが移動させた」という事実を知っているのは、話を聞いている子ども(=私たち)だけで、サリー自身はそれを知らないはず。
これに正しく答えられるということは、「自分が知っていることと、他人が知っていることは別」だと理解できている、ということになります。
※ボールは、ビー玉やリンゴになる場合もあり
発達障害の発見に使われる理由
このテストが自閉スペクトラム症(ASD)などの発達特性を調べる場面で使われることがあるとのこと。
というのも、定型発達の子どもは4歳前後になるとこの課題に正しく答えられるようになる一方、自閉スペクトラム症の特性がある子どもの場合、「アンが移動させたのを見ているから、サリーも知っているはず」と答えてしまう傾向が報告されているそう。つまり、「他人には他人の視点がある」という切り替えが難しいケースがある、ということのようです。
注意しておきたいポイント
ここで大事なのが、このテスト単体で発達障害の診断がつくわけではないという点。調べていて特に「なるほど」と思ったのが以下のポイントです。
- あくまで研究・スクリーニングの一つのツールであって、確定診断には他の検査や専門家による総合的な評価が必要
- 年齢や言語能力によっても正答率が変わるため、結果だけを見て一喜一憂するものではない
- 自閉スペクトラム症の子どもでも正答できるケースは普通にあるし、逆に定型発達でも間違えることがある
- 文化差や、そもそも「お話を聞いて場面をイメージする」こと自体が苦手な子だと、結果の解釈が難しくなる
つまり「このテストで間違えたから発達障害」といった単純な話ではなく、あくまで「心の理論の発達段階を見る一つの手がかり」くらいの位置づけ、というのが今回の学びでした。
おわりに
普段、web制作やマーケティング、デジタル系の話が多い書いているブログですが、こういう心理学系のテストに触れると「人の認知ってこんな風に段階的に発達していくんだ」と興味深く感じます。
もしこの記事を読んで、お子さんのことが少し気になった方がいたら、どうかテストの名前や結果だけで判断せず、専門機関に相談してみてください。発達には個人差があり、今回紹介したのはあくまで研究の一つの視点です。心配なことは、まずは専門機関や自治体の相談窓口に話してみることをおすすめします。誰かに話すだけでも、見え方が変わることがあります。
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