生成AIで作った画像に著作権はある?美容室の例から考える

生成AIで画像を作ることが、身近になってきました。SNS投稿や広告、Webサイトなど、ビジネスでAI画像を使っている方も増えていますよね。私もしょっちゅう活用しています。ブログ、SNS投稿画像、スライド資料…

以前から疑問だったのは、生成AIで作成した画像の著作権はどうなっているのか?ということ。ついにというか、やはりというか、そういった事案が出てきました。

大阪市の画像制作会社「Sai」が、同社の生成AI画像を無断使用されたとして、千葉県の美容室運営会社を提訴したものです。

生成AIで作った画像に、どこまで著作権が認められるのか。今後の生成AI活用にも関わる、興味深い裁判です。

裁判の概要と主な争点

今回問題となっているのは、Sai社が生成AIを活用して制作したヘアモデル画像です。

Sai社は、約240点の画像が美容室側に無断で使用されたとして、約2600万円の損害賠償や使用差止めなどを求めています。

主なポイントを整理すると、次のようになります。

Sai社の主張

  • 単純にAIで画像を生成しただけではない
  • プロンプト(指示文)を細かく設計している
  • 大量に生成した画像の中から適切なものを選択している
  • 人の手による修正や加工、画像合成なども行っている
  • こうした「創作的な関与」があるため、著作物として認められるべきと主張

美容室側の主張

  • 「AIによって生成された画像なので、著作権は存在しない」として争う姿勢

今回の裁判で大きな争点となるのが、「生成AIで作った画像に、どこまで人間が関われば著作物として認められるのか」という点です。

「AI画像=著作権なし」ではない

生成AIの画像について、「AIが作ったものだから著作権はない」と思っている方もいるかもしれません。(私もです)ただ、実際にはそれほど単純な話ではないようです。

基本的な考え方としては、次のようになります。

AIがほぼ自動的に生成したもの
人間の創作的な関与がほとんどない場合、著作物とは認められにくい

人間がAIを道具として使って制作したもの

  • プロンプトの工夫
  • 何度も生成を繰り返す
  • 出力された画像を選択する
  • 修正、加筆、加工、合成を行う

こうした人間による「創作的な寄与」が認められる場合には、AIを使って制作したものであっても、著作物として認められる可能性があります。つまり、「AIを使ったかどうか」ではなく、「人間がどの程度創作に関わったか」が重要ということ。

プロンプトを細かく書けば著作権が発生する?

では、長くて詳しいプロンプトを書けば、著作権が認められるのでしょうか。

これについても、単純に「○文字以上ならOK」「○回生成すればOK」という明確な基準があるわけではありません。

判断する際には、

  • プロンプトの内容
  • 指示の具体性
  • 生成を繰り返した過程
  • 出力画像の選択
  • 人間による修正や加工
  • 最終的な作品への人間の関与

などを総合的に見ることになります。

今回の裁判でも、Sai社がどの程度制作工程に関わっていたのかが、一つの重要なポイントになりそうです。

こちらの事案、今後どうなるのか注目しています。結果次第では、画像生成の使い方が変わってきそうです。

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