「人間万事塞翁が馬」
この言葉を初めて知ったのは、2000年頃。当時、J2コンサドーレ札幌の監督だった岡田武史氏が、日本代表に選ばれた自チームの選手に贈ったメッセージだった。
それから10年。二度目のサッカー日本代表の監督に就任した岡田監督は、全く同じことを口にした。
「人間万事塞翁が馬」
岡田監督のブレのなさと、その信念の強さは一体どこから生まれるのだろう。
兼ねてより、機会があれば知りたいと思っていた私の前に突如現れたのが、この一冊。
本文に登場する印象的な一説を紹介する。
「信頼するリーダーの理不尽な要求をメンバーは受け入れるが、信頼していないリーダーの正当な提案をメンバーは拒否する」服従の心理と言う有名な心理法則だそうだ。
このことからも、この本はサッカー監督としてではなく、リーダー論にフォーカスして書かれていることがわかる。筆者の肩書きに「スポーツ心理学者」と書かれているのも大変興味深い。
勝敗がハッキリしているサッカーにしか当てはまらないエピソードもあるが、組織のリーダーや経営者にも役立つ内容が盛り込まれているので、サッカーに興味がない人にも、ぜひ手にとってもらいたい。読んで損はなし!