以前話題になっていた「プチ起業する方々が参入してくると、値崩れしてしまって先駆者にとっては迷惑だという話」(大意)について、今更ながら思うことを書いてみようかと。
私は以前、逆の体験をしたことがありました。
プチ起業、ママ起業が、非正規雇用の問題とつながっているということ
http://ameblo.jp/juno-career/entry-11947092241.html
駆け出しだけど、高額案件を受注するデザイナー
会社員を辞めて独立した頃、たまたま知り合った女性がいて、ちょくちょく会う機会がありました。その女性は、別の仕事をしていたらしいのですが、友達に「デザイナーに向いてるんじゃない?」と言われて、デザイナーになったという経緯の人でした。知り合った頃は駆け出しのデザイナーで、同業者です。
あるとき値段を聞いたら、結構高額で。
ちょっとびっくりしてしまったのですが「安い価格で受けても、モチベーションが上がらないから」と。
フリーランスの価格は自分で決めるわけだから、モチベーションが上がる金額で、なおかつお客様も納得している料金だったら、全然OKだと思います。それについて、どうこう言うつもりはありません。しかし・・・。
クオリティと見合わない値段設定だったという現実
ある日、その女性に仕事を発注した共通の知人から電話があって「ちょっと、クオリティがひどい」という話をされました。(私が紹介したわけではないのですが、当時共通の知人が何人かいて、その辺りの繋がり)
当然、その案件が次の仕事に繋がることはありません。次々に新しいクライアントが見つかっているうちは良かったのですが、そのうち彼女はウェブ制作業界から撤退し、気が付いたときには、全く別の仕事をしていました。
自分の提供しているサービスについて、低く見積もり過ぎるのもよくないと思いますが、されど実態とかけ離れた高額な料金というのもどうかと。サービスと価格が見合っていないと、それはそれで続かないのだなと、しみじみ思った一件でした。
ということで、私が経験したのは、プチ起業の価格破壊とは少し違う内容ではありますが、質の低い作業者が業界全体のイメージを悪くしてしまうことは、どこの世界でも起こりえます。「市場が荒らされるというのは、こういうことか」と思う出来事でありました。